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ストーマについて

オペが終了し、袋を下げることになってしまった主人・・・・・。

ストーマの件に関してなにも私には、問わなかった。 ”ストーマの処理は、自分でするから。”との事・・・。 私には、そのことがとても辛く感じられたのです。

私に出来ることといえば、主人の回復を待って、いろんな商品を取り寄せ、その中で少しでも快適に毎日の作業がしやすいストーマを選択してもらうことでしかありませんでした。
しかし、これが思った以上に、なかなか困難な事でありました。

ストーマには、試供品がありません。
(たまたま私が見つけ出せなかったのかもしれませんが・・・。) 人それぞれ、人工肛門の大きさも違います。
匂いに対して敏感であるかどうか、袋にガス抜きがあるかないか、また袋の形状が個々に違うので、お腹の出具合により、ストーマがベルトにひっかかったり・・・。
そして、一番気にしたのが、接着効果。
この接着効果を求めると、皮膚が赤くただれてくる、弱いと、便が逆流し漏れ出してくる・・・と言った具合なのです。

当初、病院側は、出入りの業者を紹介してくださり、その方が薦めてくださった、ストーマを選んだのですが、皮膚が赤くただれてきて、断念。
それから、5種類以上のストーマを比べ、やっと、お気に入りが見つかるという具合でした。

このストーマに関して、私が知らずに受けることがおくれてしまった福祉制度の話があります。

それは・・・・・

永久にストーマ造設術を受けた方は、役所に認定を受けにゆき、受理されると身体障害者(4級)手帳が交付され、身体障害者福祉法による諸サービスを受けることができるのです。



私がこのことはを知ったのは、ストーマ造設術を受けてから、半年以上たった頃でしょうか・・・。
たまたまインターネット上で、ご自身がストーマを使用されている方を知り、私がその方にメールにていろいろご質問をさせて頂き、その方が快くお返事下さった中のお話で、このことを知ったのです。
もちろん早々に、私は役所に向かい認定を受けに行きました。

それよりも肝心のストーマに関してなにか手立ては無いのかと・・・思っておりましたところ、主人が亡くなる少し前、ホスピスに入ったときに、改めて知った情報があります。

それはこんなことがきっかけでした・・・・・。

ストーマがもう手元に数枚しかなく、看護師さんに、 ”こちらの病院でのストーマの購入取り扱い業者さんを紹介してもらえませんか”とお願いしました。

紹介していただいた業者さんに何気なく ”ストーマがもう少しお安いと嬉しいのですが・・・” と云ったところ、”ん〜っ??”と妙なお顔をされ、 ”ストーマの代金は、住んでいる市町村役場の福祉係の窓口で手続きの方法や申請を知らせてもらってないのですか?”と聞かれました。

その方は,

指定業者からストーマ装具代の見積書を作成してもらい、身体障害者手帳、印鑑を役所窓口へ持参し、交付券申請書を申請後、身体障害者補装具交付決定通知書がおりたら、交付金でストーマ購入できる旨を教えてくださったのでした。



この制度のことは実は私は存じておりましたので、 ”以前、この交付の件は申請したのですが、入院中でないと下りないといわれたのですよ。”と私。
”そんなことはないですよ!”とその業者の方。

その方はすぐに役所に電話を掛けてくださり、福祉課の方に、”入院中でないと交付金の申請が下りないなどと、誰が言っているのか!”と、詰め寄ってくださいました。
すると、やはり役所の間違いであった事が判明いたしました。

その方のおかげで、その後ホスピスにて療養していました2ヶ月余りのストーマに関して、交付金対象となった次第です。

情報は自分から探しに行かなくては、なかなか手に入るものではありません。
私自身、インターネットから情報を得たことは数え切れないほどありました。
けれど、全てが正しいとは限らないことも確かです。
困った人達に、偽善者の顔をした業者もいるでしょう。 それは、今に始まった事ではありません。
私たち患者はいろいろな情報の中から、自分の目で見て、自分で考え、自らの自己責任において、情報のチョイスをしなければなりません。

難しい事かもしれませんが、私はそのお手伝いがほんの少しでも出来たらと願い活動しています。

ただ、皆さんにいろいろな情報を知ってもらい、賢い患者になってもらいたいのです。
2005-07-16