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第54回 日本医学検査学会 市民フォーラム
<がん検診事業と臨床検査の関わり>
5月14日(土)午後3:00〜5:00
国立国際京都会館 メインホール
上記にて、がんの早期発見、早期診断、早期治療につなげるために、がんに関する正しい知識の普及啓発をおこなうことを目的とし、がん検診の必要性を臨床検査技師という立場から各先生方が講演されました。
司会
安田 迪之先生 (安田先生)芦田 英之先生 (京都第二赤十字病院)
パネリスト
岸本 光男先生 (大津市民病院病理科部長) 「がん検診を正しく理解するために」引地 明子先生 (福山臨床検査センター病理部室長、検査部次長) 「増え続ける癌と、そのその予防、検診の重要性と細胞診」
高山 須実子先生 (松戸メディカルラボラトリー)「検体の向こう側にいる人のために」
矢羽田 一信先生 (大阪府医師会保健医療センター細胞診・病理組織診断科技師長補佐)「肺がんになりやすい人、早期肺がんの成績、最近の動向」
国際会議場にて13日・14日と全国の日本医学検査学会員が集い、たくさんの講演、シンポジウムが開催されました。その中の一つである市民フォーラムに参加しようとしたわけですが、道が渋滞で時間に間に合わないとあせった私達は、会場に着くと急いで会場を探し、ほっとしながら、お話を聞いていると・・・・?????頭が?マークでいっぱいになってきました。
”ん〜っ?!これはおかしい”と会場を間違ってることに気付き、また探すはめに・・・・・。
市民フォーラム・・・・何も知らない私達でも理解できる様にお話の内容をわかりやすく説明をしてくださりました。その中で、女性にとって身近な”子宮頸がん”についてお話された高山先生のご紹介をさせて頂きたいと思います。
高山先生はご自分のホームページを持ちになり、 ”子宮がん”について私達患者にも理解できるような解説をWeb上に掲載されています。(と、云っても私には難しいかも??)今回のお話は、何の知識もない私でも分かるような解説をして頂けました。
皆さん、HPVという言葉知っておられますか??
”HIVなら知ってるけど、HPVはわからん!”と云う方のほうが、大半だと思います。
私も聞いたこともない言葉でした。HPVとはHIVと同様の、ウィルスの一種だそうです。
先生の解説によりますと。
HPVウィルスは、子宮頸がんの発生原因の中心的役割を果たしており、そして、現時点で分かっているほとんど大半のHPVウィルスはセックスで感染するという事実です。
しかしながら、必ずしもHPVウィルスに感染したら、それがみんな癌になるのか?というと、決してそうではありません。軽度異形成のうち癌に進展するのはわずか数%、中等度で20〜30%、高度異形成で40〜60%程度だけが癌へと進展し、残りは自然消失したり、長期間の観察を行ってもなんの変化も起きてこなかったりするのです。これは、感染したHPVウィルスの型によって大きく差が出てくるためと、その人その人の体の免疫機能や他の要因による差が大きいためだと考えられています。
今、若年齢層の子宮頸がんが増えています。先ほど申しましたようにHPVにもいろいろ型があります。そのなかで、20代で増えているHPV18型というのは初期ではなかなか発見しにくく、また病変が起きると瞬く間に広がり、妊娠に影響を及ぼしてしまい、妊娠できなくなる可能性があるのです。年齢に関係なく、子宮をなくすことは悲しいことです。子供を産む前になくすことは、もっと悲しいことです。
女性が子供を産まない人生を選択するのは自由です。
また、その人達のことを社会も認めてあげなければならないとも思います。
でも、子供を産みたくても産めない選択をしなければならないことがあってはならないのです。
そうならないためにも、正しい知識を持ち、予防して下さい。また、がん検診も受けて下さい。
子宮頸がんは、”早期発見、早期治療をすれば治るがん”なのです。
以上、高山先生のお話を掻い摘んでご紹介させて頂きましたが、高山先生だけでなく、どの先生方も
”日本の検診の受診率はとても低い現状である。検診によって、早期発見、早期診断、早期治療につながるのです。毎年、定期的に検診することも大切なことです。”
と、おっしゃっておられました。
確かに、そうには違いないのですが、なかなか頭でわかっていても受診するのは・・・とみなさん思ってらっしゃると思います。(私もその一人でした。)
でも、検診によって早期発見された方もたくさんおられます。 (私の母もがん検診ではないのですが、市民検診により思わぬ病気が見つかり、今も薬を頂いて病状も安定し、普通に生活しております。)
先生方が云われるように、どんなに検査技術が発達しようとも、検診されない方は、早期発見のしようがないのです。どうぞ、面倒がらずに、自分の身体は自分で管理し、大切になさってください。
最後に司会の芦田先生が、”今後共このような啓発活動をしていきたい、もっとより多くの市民の方々に参加して頂きたい”とおっしゃっておりました。
また、”今般、医療情報の開示が取りざされる中、患者自身も自分の身体のことをお医者さん、また我々、医療従事者に遠慮なく質問して頂ければ良いし、各専門医の先生方のいろいろな意見を聞いて参考にしながら、主治医と一緒に自分にとって最良の治療法を考えれば良いのでは?セカンドオピニオン、サードオピニオン大いに結構と・・・。” 各先生方の頼もしいご意見を聞かせて頂き、嬉ばしく感じました。
参考ホームページ
お庭のこっこ (高山 須実子先生)
社団法人 京都府臨床衛生検査技師会
2005-05-18