【NPO京都メディカルネット】京都府の医療について考えるサイト

  • HOME
  • 医療機関データベース
  • 医療相談データベース
  • コラム
  • レポート

文字サイズ変更 小さくする 大きくする

第二回 医療安全シンポジウム

第二回 医療安全シンポジウム


<新しい医療安全文化を目指して2005>


日時:平成17年 2月 5日
会場:「京都テルサ」京都府民総合交流プラザ・テレサホール
主催:京都府医師会

パネリスト

川合 満氏(医師) 「大切な人の突然死。その時あなたは?」
中島 すま子氏(看護師) 「看護の場におけるリスクマネージメント〜安全・安心・のケア・パートナーを目指して〜」
砂川 雅之氏(薬剤師) 「薬と安全〜リスクマネージメントと薬剤師〜」
奥田 美智氏(京都医療ひろば) 「遠慮はやめよう!〜インフォームド・コンセントが私達を守る〜」
松井 道宣氏(京都府医師会理事) 「医者の心得七箇条」

座長

山木 垂水氏(京都府医師会医療安全対策委員会委員長)
山内  知氏(京都府医師会医療安全対策委員会副委員長)

上記にて"第二回 医療安全シンポジウム"が開催され、多くの方々が来場され、府民の医療安全に対する関心が高くなってきていることを感じました。
昨年からこのシンポジウムは開催され始めたということですが、今回はより府民の皆さんに身近な話題ということで話をされました。

まず始めに、京都府医師会会長 油谷氏の挨拶の中で、
「医療を行っている医者は人間です。人は誰でも間違えるものだということを前提にこれからの医療の安全性を見直し、事故の回避を目指さなければならない。」
という旨のお話をなさいました。

今までの医療は当然のことながら、間違ってはいけないという考え方であり、間違えると責任追及、処罰になります。
しかし、人は誰でも間違えるものという考え方を前提に、人(医師や看護師などの質管理)、物(医薬品、医療機器)、施設の三点から医療安全を考え徹底することにより、医療安全の文化が一歩ずつはぐくまれていくと申されました。
ただし、"医療を提供する側だけでなく、医療を求める側も一体となり医療安全に対する共通認識を持つ事により本当の医療安全文化が目指せるのではないか"ともおっしゃいました。
このことは、医師の立場、看護師の立場、薬剤師の立場、また患者の立場から具体的に各パネリストの方々が分かりやすく今の現状や、取り組みをお話して頂けました。

その中で、"インフォームド・コンセント"という言葉がよく出てきました。
インフォームド・コンセントとは医師が患者に対して、受ける治療内容の方法や意味、効果、危険性、その後の予想や治療にかかる費用などについて、十分にかつ、分かりやすく説明をし、そのうえで治療の同意を得ることをいいます。
充分なインフォームド・コンセントにより患者と医師の信頼関係が生まれるのです。
ですから患者は遠慮することなく、疑問や質問がある場合は医師に聞けば良いのです。
互いの思いこみ、医療側と患者側の「つもり」がずれてしまうと医療事故につながり、信頼関係も悪くなってしまいます。
医療は医師と患者の共同の取り組みであるとおっしゃていました。 是非、自分の身体や生活環境まで知ってもらっている"かかりつけ医"を持ってくださいと・・・。
お話の中で、”かかりつけ医”の選び方を述べて頂いたので、ご紹介したいと思います。

かかりつけ医の選び方

  • 話を聞いてくれて、自分のことをよく理解してくれる人
  • 親身になってくれる人
  • 自分を応援してくれる人
  • 最後まで責任を取ってくれる人
  • 間違いのない人
  • 勇気ある人
  • 信念を持っていて、損得で動かない人

また、「医者心得の七箇条」として、次のようなことを揚げられました。

「医者心得の七箇条」

  • 患者の話をよく聞くこと
  • 患者が理解できる言葉で十分に納得出来るまで説明する
  • 人の命の尊さを知り、人々の命思う、願いにたって行動
  • 常に患者を勇気づける存在であり、また自らも勇気のある人
  • 常に勉強する気持ちを忘れず、医学的知識・技術に研磨すること
  • 医療はチームで行うものであり、他の医師や一緒に働いている医療従事者の意見を尊重し、常に最高の医療を提供出来るよう心掛けること
  • 患者の利益を最優先とし決して自ら損得に左右されないこと

このような「医者心得の七箇条」を全ての医療従事者が持って頂いたならば、とてもすばらしい医療社会になると感じました。

今後、ますます医療安全について医療従事者の意識を変えて頂くことを願うだけでなく、私たち患者自身の姿勢も変わっていくべきであり、相互の信頼関係を築く努力をすべきではないでしょうか・・・?
2005-02-09