【NPO京都メディカルネット】京都府の医療について考えるサイト

"遠赤外線治療で癌を必ず治せる・・・"

どこかで聞いた言葉・・・・・。 皆さん、おわかりですか？
そう、つい最近、テレビを賑わせていた偽医者の言葉。

実は、私も、メールで相談していました。
私の質問”絶対に直る根拠は？”と云う言葉に、偽医者が切れたのを思い出します。
”俺を信じられないのか？！”って。やっぱり、嘘でしたね。患者から多額のお金を騙し取って・・・。

本当に許せない！！患者・そして、家族は藁にもすがる思いで、いろいろな治療法を探し、追い求める・・・、なのに行き着いた先に待っていたのは詐欺・・・・・。
本当に精神的に追い込まれ、どんなものでも試したいと思う気持ち、私にはよく分かります。

病がある限り、事件は消えないのかも知れません。
たくさんの情報、役に立つ情報もあれば、反対にこのように人の弱みにつけ込む詐欺、その中からの選択・・・難しい選択ですね。

私も主人が癌とわかったときから、ありとあらゆる健康食品を試みました。
お役に立つかどうか分かりませんが、これからお話する私の体験が少しでも皆様のご参考になれば嬉しく思います。

あのころ無我夢中で、とにかく癌に利くといわれる健康食品の資料を沢山集め、目を通したと思います。
クロレラ・アガリクス・ハナビラタケ・ＡＨＣＣ・セレン・天仙液　ＡＨＣＣ・フコイダン・セレン・亜鉛・ビタミンＣ・鹿角霊芝・トランスファーファクター・チャーガ・超ミネラル水・エイジアック・・・・

一番初めに、電話をしたのが、とあるクロレラの会社。

資料広告を手に、すぐに電話をしてみました。
電話の対応もなんとなく良い・・・と思いながら、自分が納得出来るまで質問をいたしておりました。
ところが、私が含有量の話をしだすと、その人では対応出来ないのか、別の男性に電話を代わりました。 その男性は詳しく教えてくれるどころか、こんなことを言いました。

"奥さん、ご主人が癌なんでしょ・・・？これは、効くんですよ。たった1ヶ月18万程じゃないですか！ 18万とご主人の命との引き換えは、酷だよね・・・わかる？ネ〜奥さん・・・”

私は、悲しくなった、お金が惜しくて言葉が出なかった訳ではない。 マニュアル化された営業マンの商売むき出しの対応に言葉が出なかったのです。
誰でも自分が出来る限りのことを大切な人の為になんとかしてあげたい、藁をもすがる気持ちなのです。それを逆手に・・・辛いものです。

それから、ほどなく２８０万円する水晶を売りつけられそうになりました。
主人が癌だと何処から情報を手に入れたのでしょうか・・・この水晶玉を家に置くと治るとの事。
うんざりしたので、”それだけ自信があるなら、治った時点でお金を払います！”と、話しをすると、
”いけすかん、嫁さんだな〜”と、電話口で、怒鳴られ、終わり。

次は、除霊・・・
なぜか頼みもしないのに、あなた達についた悪い霊を除霊してあげたと自宅宛に、除霊をした旨の文章を送りつけてきました。（これがまた８０万だそうで・・・もちろん、払ってなんかいません。）
これもいったい何処から、住所を知るのでしょうか・・・。

今度は、こんな嫌な話ではなく、試して良かったお話をいたしましょう。
いろいろ試した健康食品の中で、主人が一番気に入ったのが、インディアンの秘薬　エイジアックでした。しかし、日本で売られている商品は高く、カナダから個人輸入をしました。
英語が堪能でもない私にとって、これがまた一苦労でした。
やっと手にいれた秘薬は、何時間も炊き出し、上澄み液をこし、冷蔵させて服用します。

この効き目は？？というと・・・
２週間近く全く出なかった便が、これを飲み始め３日目に真っ黒になって、ストーマから出てきたのです。その後、お腹のはりからも開放され、食欲が出て、ホスピスに入所するまで服用していました。

そして、主人自らが欲しいと頼んだ丸山ワクチン。
私は丸山ワクチンを求め、夜行バスで東京へ。
東京の知人と一緒に日本医科大学へ出向いた時間には、もう沢山の方が所狭しと並んで座ってられました。
この許可がされていない丸山ワクチンにこんなに大勢の方々がこの薬を求められている・・・この現状に言葉が見つかりません。
ここでもなんだか、怪しい？？団体が・・・。
丸山ワクチンを購入するのには、家族が直接出向かないといけないのですが、なんと、お金をだせば、このワクチンをもらってきてくださる団体があるそうです。

そんなことはさておき、丸山ワクチンに関しては、もっと早くに接種してあげればよかったと、今でも思います。それは、ホスピスへ入所してから、食欲がなくなって、無気力であったのにも関わらず、彼の場合は、この丸山ワクチンを接種してから、食事が取れるようになりだし、好きだった読書をしだしたりと、目に見えて力が少しずつ出てきたと思えたからでした。でも、時期すでに遅し・・・でした。

いろいろな情報の中から、”自らの責任において選択する”・・・簡単なようでとても難しいことです。

でも、私はこの”自らの責任において選択する”ことを選びました。

難しいことかもしれませんが、与えられた情報だけに終わるのではなく、患者自身が情報を求め、 自分自身が納得出来るよう、自らの責任において選択していくべきだと私は思うのです。